あらすじ
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安住の地を求めて旅に出た二匹のアマガエルは、辛い放浪の末に夢の楽園「ナパージュ」にたどり着く。
その国には「三戒」と呼ばれる戒律と、「謝りソング」という奇妙な歌があり、優しいツチガエルたちが平和に暮らしていた。
とある事件が起こるまでは。。。という寓話的ストーリーです。
感想


著者の個人的見解は多分に含んでいるものの、俯瞰的な視点で「日本」という国を捉えようとしている小説でした。
平和な世の中への警告の様なメッセージ性もあり、普段中々考えないことを考えさせられますね。
物語の中には多くの種類のカエルが登場しますが、カエルは私たち人間のことです。
あえて人間以外で描かれていることで、当事者としてではなく、第三者の視点から物語を読み進めることができ、内容がスーッと入ってきます。
物語の一つ一つの要素が、実際の世の中におけるどの部分を表しているかを考えて読むと面白いですよ。
ボリュームも少なく、長文の本を読むのが苦手な人にもおすすめです!(私は、3時間もかからず読み終えました)
登場人物(生物等)のモデル考察
この小説の面白さは、上でも書いた通り、物語と実際の世の中の関連付けです。
あくまで私の個人的な見解ですが、物語の登場人物(生物等)のモデルを考察しましたので、ぜひ読む際の参考にしてください!
国
・ナパージュ:日本(JAPAN⇒NAPAJ)
・南の沼:中国(ウシガエルが暮らしている、巨大な沼)
・エンエン:韓国(ヌマガエルが暮らしている、延々と恨みを言う?)
・スチームボート:アメリカ(巨大なワシ、スチームボート⇒蒸気船⇒黒船)
生物
・ツチガエル:日本人(ナパージュに住んでいる)
・ウシガエル:中国人(大きくて凶暴、南の沼に住んでいる)
・ヌマガエル:韓国人(ツチガエルと似ているが、ツチガエルのことを敵視している)
・デイブレイク:朝日新聞(夜明け)
・ハンドレッド:著者(ハンドレット⇒百⇒百田)
・ハンニバル三兄弟:陸海空自衛隊(ナパージュの国に何かあった時のために常に鍛えている)
・プロメテウス:安倍首相(プロメテウス⇒先見の明の持ち主、三戒を放棄し力で対抗すべきと主張)
・ガルディアン:野党(三戒の放棄に断固反対する)
・プランタン:村上春樹氏(春)
・シャープパイプ:井筒監督(シャープ=♯、パイプ=筒)
・フラワーズ:SEALDs
その他
・三戒:憲法9条(カエルを信じろ。カエルと争うな。争うための力を持つな。)
・謝りソング:自虐の歴史観
次に読んで欲しい関連本を紹介
『カエルの楽園2020(百田尚樹)』
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二匹のアマガエルがたどり着いた夢の楽園は悲劇的な末路を迎えたはずだったが、悪夢の翌朝、二匹はなぜか再び平和な地にいた。
今度の世界では、ウシガエルの国で「新しい病気」が流行っていたが、楽園のカエルたちは根拠なき楽観視を続ける。
しかし、やがて楽園でも病気が広がり始める。。。といったストーリーです。
『カエルの楽園』の続編で、コロナ渦の騒動をフィクションとして描いています。
おなじみの登場人物もたくさん出てきますので、『カエルの楽園』が面白いと感じたら、こちらも読んで損はないと思います。
『半島を出よ(村上龍)』
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国際的孤立状態にあった2011年の日本。そこに9人の北朝鮮の武装コマンドが、福岡ドームを占拠する。
さらに2時間後、約500名の特殊部隊が来襲し、市中心部を制圧。10日後には12万人の兵士が上陸することになっていた。
慌てる日本政府を尻目に、社会から排除され、社会を見捨てた異端児たちが動き出す、というストーリーです。
上下巻合わせて1000ページ越えというボリュームなのにストーリーにスピード感があるので、時間を忘れて読んでしまいます。
巻末を見ると参考文献も多岐にわたっており、日本だけでなく北朝鮮側の視点も非常にリアリティがあります。
内部と外部、自国と外国、自分と他人など、無意識の境界線について考えさせられました。
『半島を出よ』の表紙には「ヤドクガエル」というカエルが描かれており、『カエルの楽園』と様々な共通点がありますね!
まとめ
エンターテインメント性に富みながら、近未来をリアルに想像出来る面白い作品です。
『カエルの楽園』を読むことで価値観、物事の見方が変わるかもしれません。
ただし、小説はあくまで小説。何が正しいか、何を信じるかはあなた次第!
未読の人は是非読んでみて下さい(^^♪
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