あらすじ
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世界でいちばんタフな15歳の少年になるため、主人公の「僕」は誕生日に家を出て遠くの知らない街に行きます。
一方、並行して異なる人物のストーリーが進んでいきながら最終的に交わっていく、といった内容。
著者の圧倒的な表現力と日本語自体の美しさを堪能できる作品です。
感想
肝は「メタファー」の理解
初めて読んだのは高校生の時でしたが、全体的に抽象的な話で、正直「難しかった」という記憶しかありません。(^-^;
ただ、大人になって改めて読んでみると、作品の中に多くの比喩表現が出てきていることが分かります。
登場人物を含め、作品内の比喩表現を身近なものに置き換えることで一気に読みやすくなりました。
作中にも「ゲーテが言っているように、世界の万物はメタファーだ」というセリフがありますね。
メタファーとは、隠喩、暗喩のことであり、比喩の一種です。
『海辺のカフカ』は、まさにこの「メタファー」の捉え方が肝になっていると思います。
読み手がどう感じるかで、作品からのメッセージ性が大きく変化するところが面白いです。
私はこの本を読んだことで、「大切なものは目に見えない」という、当たり前の様で人生の本質的なテーマの輪郭がはっきりしました。
村上春樹を初めて読む人にもおすすめ!
本作は、15歳の少年が主人公であり、他の村上春樹作品の主人公に比べて感情移入しやすいと感じます。
分量は多いですが、ミステリーや冒険の要素があるので、スムーズに読み進められます。
様々なテーマ性に富んでおり、主人公の旅を通して、「生き方」や「考え方」のヒントが多く隠されている作品です。
他の村上春樹作品を読んで挫折した方も、『海辺のカフカ』であればハマる可能性があるので、ぜひ読んでみてください!
「哲学的な旅」をした感覚を味わいましょう(^^)/
こんな人におすすめ!
- 村上春樹作品を初めて読む
- メタファーに興味がある
- 人生について考えたい
- 主人公に感情移入して旅をしたい
- 作品のメッセージを考察したい
- 考えることが好き
次に読んで欲しい関連本を紹介
ねじまき鳥クロニクル(村上春樹)
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会社を辞めて日々家事を営む主人公の「僕」は、雑誌編集者として働く妻「クミコ」と平穏な結婚生活を過ごしていた。
しかし、飼っていた猫の失跡をきっかけにバランスが少しずつ狂い始め、ある日クミコは僕に何も言わずに姿を消してしまう。
僕は奇妙な人々と出会いながら、やがてクミコの失踪の裏に、彼女の兄「綿谷ノボル」の存在があることを突き止めていく。。。といった内容。
『海辺のカフカ』が面白いと感じたら、こちらの作品もおすすめです。
同じく長編であり、ハマればページをめくる手が止まりません。
星の王子さま(サン=テグジュペリ )
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砂漠に飛行機で不時着した「僕」が男の子に出会い、話を聞きながら物語が進行していきます。
小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから地球にたどり着いた男の子は実は王子さまで、様々な体験を通して感じたことを「僕」に語る、といった内容。
刊行後70年以上たった今も、世界中で読まれている作品です。
小さい頃から何度も読んでいる大好きな作品で、普段意識しない大事なことが、ギュッとこの1冊に詰まっています。
自分の子供がもう少し大きくなってこの本と巡り合った時、読む前後で「一番たいせつなものは何?」と質問をしてみたいです。
質問の答えとともに、空の見え方まで変わってくれたら良いな、と思います。
小説が難しいと感じたら、こういった童話を読むのもおすすめです。
「大切なものは目に見えない」というメッセージ性に『海辺のカフカ』との共通性を感じます。
まとめ
感想部分でも書きましたが、今回紹介した小説は、読み手がどう感じるかで、作品からのメッセージ性が大きく変化する作品です。
私と違う感想を持つ人もいると思うので、まだ読んだことのない人は是非読んでみて下さい!
最近、おうち時間が増えて読書量が増えてますが、改めて小説は面白いですね。(^^♪
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