今日は、今年の4/24に発売された『逆ソクラテス』を紹介したいと思います。
読みやすい&面白い小説で、万人受けする作品です!
コロナで実家や地元に帰れなかった方、この作品で学生時代の時を思い出してはいかがでしょうか?(^^♪
あらすじ
![]() | 価格:1,540円 |

「逆ソクラテス」、「スロウではない」「非オプティマス」「アンスポーツマンライク」「逆ワシントン」の短編5編が収録されています。
どの話も小学生が主人公で、逆境にめげず、簡単ではない現実に立ち向かっていくストーリー。
非日常的な出来事に巻き込まれながらも、先入観を逆転させ、アンハッピーな展開を乗り越えていく、といった内容の作品集です。
読んだ感想
シニカルな表現が気持ちいい!
まず、全体を通して文章がストレートなので、一気に読めました。
短編の題が「逆」「非」「アン」など、否定の接頭語を使って構成されているところが見事で、著者の想い、メッセージを感じます。
小学生にしては大人っぽい子供が多く登場する印象を受けましたが、どれも子供目線で描かれているため、大人へのシニカルな表現が際立つ作品となっています。
その皮肉が気持ちよく、何回か「ニヤリ」としてしまうくらいです。
「教育は型にはめるとやりやすい」という言葉なんかは、子供を育てている自分としては心にちくっと刺さるものがありました。
教育はキレイごとだけでは出来ないですよね。。。(^-^;
子供から見た大人とは?
この短編集は、大人が理解できない(しようとしていない)世界で、物語の登場人物たちが懸命に生きていることを感じさせてくれる作品になっています。
私は「小学生の時にこんな大人っぽいこと考えてたかな?」と感じましたが、幼少期のその時その瞬間に何を想って過ごしていたかは意外と思い出せないものですね。
大人になって考え方が凝り固まってしまった証拠なのでしょうか。。。
大人が「必ず正しいことをする」や「絶対正義」というのは無論間違いですが、子供から見たら我々大人はどう見えているのでしょうか?
作中の言葉を借りるなら、「僕は、そう思わない。」と心の中で思っている子供は案外多いのかもしれません。
この小説を読んで、大人の価値観を無理やり押し付けることだけは気を付けたいと思うようになりました。
こんな人におすすめ
- 伊坂幸太郎の読みやすい作品を読みたい
- 教育について考えたい
- 子供の気持ちを理解したい
- シニカルな表現が好き
- 逆転の発想が好き
- 様々な立場に感情移入して楽しみたい
次に読んで欲しい関連本を紹介
カレーライス 教室で出会った重松清(重松清)
![]() | カレーライス 教室で出会った重松清 (新潮文庫) [ 重松 清 ] 価格:649円 |

教科書に掲載された、表題の『カレーライス』 を含む、9つの短編が収録されています。
『逆ソクラテス』同様、どの話も子供の心理描写が著者によって巧みに描かれており、まるで自分が教室の中にいるような、物語の中に引きずり込まれるような内容の名作集です。
有名な話が多いからか、どこかで読んだことがある!と感じるものもありました。
小説としては非常に読みやすく、学生時代を思い出して、どこか懐かしく照れくさい気持ちになります。
モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方 (伊藤美佳)
![]() | モンテッソーリ教育×ハーバード式子どもの才能の伸ばし方 [ 伊藤美佳(幼児教育) ] 価格:1,540円 |

史上最年少プロ棋士・藤井聡太さんが幼児期に受けた教育として、一躍脚光を浴びたのが表題の「モンテッソーリ教育」です。
本書では、ハーバード大学の心理学者が唱える「多重知能理論」をベースに著者が日本人向けにアレンジした「9つの知能」で運動、学力、クリエイティビティ、コミュニケーション能力など子どもが持つさまざまな能力を見ていきます。
どんな家庭でも、楽しく、かんたんに子どもの才能を伸ばすことができる、と謳っており、私は読んでいて教育に関する考えが柔軟になりました。
『逆ソクラテス』を読んで、教育に関して知見を広げたくなったという方におすすめです!
まとめ
もう夏休みが終わった学生がほとんどだそうですが、1つ不安に思うことがあります。
それは、子供たちがこのコロナ禍に何を思って過ごしているのか?ということ。
きっと、この小説同様、大人には分からない感情があるのではないかな、と思います。
いずれにしても、早く子供たちが安心して教室で過ごせる日々が戻ることを願うばかりです。
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